ORP(酸化還元電位)の報告値
ORPの話です。テーマは、「報告値は使用した比較電極を基準とした値なのか標準水素電極を基準とした値なのか」です。基本的には、標準水素電極を基準とした値を報告です。実務的には、測定は比較電極として銀ー塩化銀電極等を用います。しかし、報告は標準水素電極での値に換算します。標準水素電極で測定する事はまずないと思います。私は標準水素電極の実物を見た事ありません・・・
ORP(Oxidation-Reduction Potential)とは
酸化還元電位の事です。結構難しい話です、概要は東亜さんとか堀場さんとか電極のメーカーの説明を見るのが賢明です。さらに詳しい事を知りたい場合は電気化学を勉強すると良いと思います。
簡単に言うとORPが高いと酸化力が強く、低いと還元力が強いと言う事です。
自然水中における酸化還元電位(ORP: Oxidation reduction potential,あるいはEh:
Electrodepotential on the hydrogen scale)とは、水中に含まれる酸化性物質と還元性物
質との平衡によって生ずる電位と基準となる電位との差で、水中の酸化還元状態の程度を
示す指標であり、ORP計によって測定する。自然水の酸化還元電位に関与する物質は多
種多様であるが、主成分はそれほど多くはなく、酸化性物質としては溶存酸素(DO)、鉄
(Ⅲ)イオン(Fe3+)等が、還元性物質としては、鉄(Ⅱ)イオン(Fe2+)、可溶性硫化
物及び可溶性有機物等がある。
測定方法
測定方法はpHに似てます。機器の操作方法は機種によって異なります。って当たり前ですね・・・説明書見てください。
・内部液交換
↓
・電極先端を洗浄
↓
・電極をサンプルに浸す ※内部液補充口は開けておく(pHと同じです)
↓
・軽く混ぜる
↓
・安定を待つ
↓
・測定値を読む
標準水素電極の値に換算する方法
機種によっては機械上で標準水素電極の値に換算してくれる物もあります。
手動の場合は実測値に、水素電極に対する比較電極の電位を足します。おそらくはORP計の説明書に温度毎の数値があると思います。
※比較電極の種類によって水素電極に対する値は違います。
(例)電位差が206mVの場合
Eh = E + 206
Eh : 標準水素電極を基準とした値(mV)
E : 比較電極を基準とした値(mV)(ORP計の表示値)
堀場のORP測定用電極にて得られたORPは、用いた比較電極(3.33mol/l-KCl-AgCl)に対して測定された値です。これを標準水素電極(N.H.E.またはS.H.E.)での値に換算するには、以下の換算式になります。
EN.H.E.=E+206-0.7(t-25)
EN.H.E.:N,H,E を基準にしたORP
E:表示電位(mV)
t :サンプル液温(℃) (t=0~60℃)
キンヒドロン標準液
調整方法 準備中
まとめ
ORPの報告値は標準水素電極を基準とした値
測定は標準水素電極以外の比較電極が使われる事が一般的
測定値は標準水素電極を基準にした値に換算する