環境計量士のメモ書き

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仕事上のメモ。忘れがちな事、気付いた事等

C-BODってなんだっけ?

 

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C-BOD

先日、営業から「C-BODってできる?」と聞かれた時、一瞬C-BODってなんだっけとなりました。確かATU-BODの事だった気がしたけど・・・確信がもてませんでした。

結論としては、BOD仕込むときに、硝化作用を抑制する為にATU(N-アリルチオ尿素)を添加するやつです。必ずしもATUを使うとは限らないですが・・・

 

目次

 

C-BODとは

C-BODとは硝化作用を抑制して測定したBODの事で、炭素由来のBODの値です。

通常BODと言えば、有機物の酸化分解で消費される酸素(C-BOD)と硝化作用で消費される酸素(N-BOD)の合量になります。試料にN-アリルチオ尿素等を添加し、硝化作用を抑制する事でC-BODを測定する事ができます。

私の勤務先では、ATU-BODと言う名称で分析依頼が来る事が多いです。役所の案件でもATU-BODの名称になってる事が多いです。C-BODで依頼が来た場合はATUではなく、2-クロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジンを使っても良いのかもしれませんが、実際に使ったことは無いです。

 

エーティーユー-ビーオーディー:Allyl thiourea-Biochemical Oxygen Demand

ATU-BODは試料水にN-アリルチオ尿素(ATU)を添加することにより硝化作用を抑制して測定したBODのことをいい、炭素源による酸素の消費(C-BOD)を表します。この硝化抑制はNH4+→NO2-反応を抑制すると考えられています。

引用元: 下水道用語集 横浜市

測定方法(JIS K0102 21備考1)

C-BODの測定方法としては、BODを仕込む際に、N-アリルチオ尿素を添加するだけです。添加量は希釈試料1LあたりN-アリルチオ尿素を2mgです。N-アリルチオ尿素溶液(1mg/mL)を調製して添加します。希釈試料の定容が1Lなら2ml、定容が2Lなら4mL加えます。100mlのふらん瓶で直接希釈するなら、ふらん瓶に0.2mL加えます。

硝化作用を抑制した状態の生物化学的酸素消費量を測定するには,次の操作を行う。

d) 1)の希釈試料の調製時に,希釈試料1 LについてN-(2-プロペニル)チオ尿素2 mg(*)

又は2-クロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジンの粉末10 mg(**)が含まれるように添加する。

 

引用元: JIS K0102:2016 工場排水試験方法 P.50

N-(2-プロペニル)チオ尿素とはN-アリルチオ尿素の事です。

N-アリルチオ尿素(cas番号109-57-9)

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N-アリルチオ尿素(ATU)

JIS K0102にはN-(2-プロペニル)チオ尿素とあり、カッコ書きでN-アリルチオ尿素とあります。他にも1-アリル-2-チオ尿素等の別名があります。購入する際、検索する名称によっては見つからない事があります。関東化学は1-アリル-2-チオ尿素しかなく、和光純薬は1-アリル-2-チオ尿素とN-アリルチオ尿素があります。cas番号を確認すれば間違いないと思います。

 

まとめ

C-BODとは有機物の分解に要する酸素消費量で、炭素由来のBODの事。

N-BODとは硝化作用による酸素消費量。

通常BODと言えばC-BODとN-BODを区別しない。

硝化作用を抑制する事でC-BODのみを測定できる。

硝化の抑制にはATUを使う事が多い。(これは私の経験上の話です。)