RpHとは何か
昨年の話です、営業から、「RpH」入荷するからよろしくと言われ、「?」となってしまいました。そしたら「通気してpH測るやつだよ」と言われました。10年やってても知らない事がまだまだあるなと思いました。
二酸化炭素の出入りによってpHが変化するので、通気して大気中の二酸化炭素と平衡状態にすると言う事です。
RpH(reserved pH)
RpHとは、水中の二酸化炭素と大気中の二酸化炭素が平衡状態にある時のpHの事です。
二酸化炭素が多く溶け込む事で酸性によってる水ならば、通気する事で元のpHより高くなります。アルカリ側によってる水なら、二酸化炭素を吸収して元のpHより低くなる事もあります。
きれいな空気で十分に通気した後のpH値をいいます。
表流水では普通のpHとあまりかわりませんが、地下水や夏季の湖沼水ではpHと
RpHの差が大きいことがあります。これは主に二酸化炭素が通気によって出入りす
るためです。
引用元:https://www.hrr.mlit.go.jp/hokugi/file/mijika/glossary1.pdf
分析方法
通気した後にpHを測定するだけです。
公定法らしきものは無いっぽいです。(もし有ったら教えて欲しい_(._.)_ )
一応、古い総理府令に分析方法の記述が簡単にあります。ざっくり書かれてるだけですが参考になれば・・・。きれいな空気とか新鮮な空気とか、言いたい事はなんとなく分かりますが・・・。
試水20ないし50mlをとり、新鮮な空気を10分間じゆうぶんに通じた後pHの場合に準じて測定する。
と言う事で、通気の方法は各々のアイデアで自由にやって良いのかと思います。
通気の方法
公定法が無い前提での話です。公定法が存在すればそれに従いましょう。
下の図のようにします。pH測定しながら、pHが安定するまで通気します。検体によると思いますが、10分もかからず安定します。分析機関であれば二連球もパスツールピペットもあると思いますのでお手軽です。pHの変化を確認しながらやれるのが良い点です。きれいな空気かどうかは環境次第・・・
・BODの希釈水をばっ気するときの道具を流用する方法
これならきれいな空気を送り込めます。昭和三十二年総理府令第十四号を参考に、10分間通気します。ただ、水酸化カリウム通すと二酸化炭素が吸収されるので、送り込んだ空気は二酸化炭素が少ない状態です。大気と平衡という意味で、少し問題があります。細かい事を気にするのならば、水酸化カリウムは通さないようにした方が良いでしょう。
・ポリ瓶で振とうする方法
ポリ瓶に検体を入れて、空隙が十分にある状態で振とうします。振とう機にかけるなら10分位やっておけば良いと思います。場合によっては分析者の勘を頼りに手振りも有りだと思います。
まとめ
RpHとは、水中の二酸化炭素と大気中の二酸化炭素が平衡状態にある時のpHの事。
分析方法は、検体にきれいな空気を通気して、その後、普通にpHを測定する。
具体的な通気方法に決まりがあるかは不明。
総理府令によれば通気時間は10分間。
二酸化炭素を多く含んで酸性によってる水ならRpH>pH。